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ドクターホーワ放送室   


  徳山ダム 連絡導水路
   
    渇水のリスクは??
    市民の経済的負担は??

   水道屋さんが、公開討論会をレポート
     みんなでじっくり考えてみましょう。
   

  2009/08/03

 
 公開討論会に出席しました。
   

    私、朋和設備の社員です。
    水問題にも当然関心があります。

    21年8月2日(日)に名古屋市公館で行われた、
   「木曽川水系連絡導水路公開討論会」を聴いてきました。

    この公開討論会、河村市長がこの事業から撤退を含む再検討を
   表明したことを受け、賛成、反対両派の学者の意見や、市民の意見などを
   聴き、意思決定の参考にするために開催されたものです。

    皆さんにも情報をご提供します。
    みんなで、よ〜く考えてみませんか?

  撤退は水余り、楽観論
   継続派は、渇水リスクも高いと、慎重論


   
撤退派(事業継続反対派)の先生おふたりの主張は主に次のような点でした。

     1)水不足のリスクは、かなり減っている。
       そもそも徳山ダムの事業計画の水需要予測は過大だった。
       無駄に無駄を積み重ねるのはやめたほうがよい。

     2)ダムをいくら作ったって、100年、200年に一度の水不足がきたら
        ダムが救ってくれることはありえない。
        みんなで使う水をみんなでどう分け合うか、という問題になる。
        だから、早めにそういうルールを話し合っておいたほうがよい。

    事業継続賛成派の先生おふたりの主張は主に次のような点でした。

     1)近年の異常気候等から、渇水のリスクは高まっている。
         ダムは一種の保険であり、ここまで進んだ事業を途中でやめると
         保険料だけはらって、保険がきかない状態になって危険。

     2)水利調整は、長い間時間をかけて今日に至ったもの。
         利水者間の協力は、相互理解と互譲の精神が必要であって
         法律や理屈で権利を主張しあう世界とは少し違う。

    これに対して、会場からは次のような声が出ました。

     1)農業用水は、これまで努力に努力を重ねてしぼってきた。
       農業用水があまっている、と言われるのは心外  (農業関係者)

     2)渇水のときはダムも渇水になる。「水不足の不安」は残る (愛知県)

     3)水利権を確保して、堀川浄化や、身近な小川、せせらぎづくりにも活用してほしい
        また、撤退したらダム本体の負担金や、ダムの維持費など、
        大きな経済的負担を長い間子孫に残すのに、水は1滴ももらえないことになる。
        庶民の普通の経済感覚では理解できない。 (堀川関係市民団体)

     4)(徳山ダムの水没住民)
         私たちは、名古屋市が渇水や地盤沈下を防ぐためにどうしても必要だというので
        泣く泣く故郷を離れた。
         住むところが変われば、職を見つけるのも難しく50年も(経済的にも)苦労してきた。

         今になって、ダムは不要だったといわれるのですか?
        水没住民の心情も少しは汲んでほしい。

     5)ダムはそもそも不要だった。この先も不要なダム建設を続けるのはやめるべき。(反対派)

     6)ゴミ問題のときも、生活の改善運動、分別収集などで乗り切ってこれた。
       水の問題だって、市民の生活改善運動で乗り切れるはずだ。(反対派)


   渇水のリスクは? 市民の経済的負担は?
     みんなでよ〜く考えてみよう。

      この日の公開討論会では、名古屋市上下水道局が準備した資料が
     配布されましたので、下記に抜粋してご紹介します。

       また、河村市長が新聞紙上でお話されていることもご紹介します。
     
      配布された資料によれば、撤退した場合でも、継続した場合でも、すでに
     完成してしまったダム本体の費用、約500億は戻ってきません。

      しかも、うち約310億は借金で、今後20年間、子どもたちが払っていかなければ
     いけません。

      ダム本体の維持に関わる費用は、撤退しても過去の約束で、毎年1億9000万円
     ダムが続く限り、半永久的に毎年払っていかなければいけません。

      しかも、しかも、撤退した場合、名古屋市が負担するはずだった、約80億と
     当てにしていた補助金分約40億の合計120億は、撤退で10億くらいはおまけして
     もらえますが、今後の愛知県・岐阜県・三重県との話し合い次第では110億全額
     負担しなければいけないリスクも抱えてしまいます。



      また、渇水時に給水制限が実施されれば、水道管の圧力が低下しますから
     「日本一おいしい水を供給する」という理想のもとに進められてきた、直圧給水化が
     あだになって、マンションの高層階に住む人は、蛇口をひねっても水が出ないとか
     医療活動への影響、消防活動への影響も懸念されるとのこと。


   
      無駄をなくして、市民税を減税に!と努力されている名古屋市ですが、
     一方で、こうした大きな経済的無駄、すなわち費用対効果が、100対ゼロの
     大きな借金が、今後20年以上も残ってしまう、という市民の負担も残ります。

      
       「水は余っていて、渇水リスクはない、あってもなんとかなる」という信念、
     「無駄な公共工事はやめよう、ダム建設の全国的な流れをここで断ち切ろう」という理念。

       
       名古屋の場合は、徳山ダムがすでに完成してしまっており
      あと連絡導水路をつくれば完成、という段階にあるから、これから作る、
      他のダムの問題とは切り離して考えないといけないという現実論の意見。

      パートナーとして一緒にやってきた愛知県・岐阜県・三重県の意見もあります。
      
      
       ふたつの意見。

       さて、皆さんはいずれを選択しますか?

    


公開討論会で配布された
 名古屋市上下水道局資料より抜粋






毎日新聞 2009年8月4日(火)朝刊より
  河村市長と毎日新聞記者対談記事より抜粋


 
   
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